1. 歩道、公園、広場の設計
インターロッキングブロック及び擬石平板ブロックの舗装を考える際、歩道・車道・公園の園路・建物のアプローチ等さまざまな場所への供用が考えられます。これらの使用する場所によってその路盤の構造を考えていきます。
インターロッキングブロックには60mm厚と80mm厚および100mm厚の3タイプがあります。
一般的には、60mm厚のブロックは歩道・公園・広場などの歩行者や自転車を対象とする舗装に、80mm厚のブロックは車道・駐車場などの車輌を対象とする舗装に使用され、100mm厚のブロックは港湾エリアのコンテナヤード舗装や大型車交通量が特に多い車道等に代表される重荷重舗装および重交通舗装に使用されます。
a. 舗装構成
歩行者や自転車を対象とするインターロッキングブロック舗装は図1に示すように、インターロッキングブロック(60mm)、サンドクッション(30mm)、路盤、路庄によって構成される。
なお、歩道の車輌乗り入れ部の舗装構造および設計方法については、「2. 車道・駐車場」に準じた舗装構造を採用する。
なお、歩道の車輌乗り入れ部の舗装構造および設計方法については、「2. 車道・駐車場」に準じた舗装構造を採用する。
b. 路盤・路庄
路盤は荷重を路庄に伝達する重要な役割を果たす部分であるため耐久性のある材料を使用し、よく締め固めて十分な支持力をもたせることが必要であり、路盤材料には最大粒径40mm以下のクラッシャーランを用いて暑さを100mmとする。
また、路庄には、路庄条件や気象条件に応じて遮断層や凍上抑制層(図2参照)を設ける場合もある。
また、路庄には、路庄条件や気象条件に応じて遮断層や凍上抑制層(図2参照)を設ける場合もある。
c. 排水処理
インターロッキングブロック舗装は排水の不良が原因となって破損することがあるため、雨水等の排水の処理を十分に考慮する必要がある。
この表面排水は、0.5〜2.0%を標準とする横断勾配によって側溝などに排水し、安全で快適な舗装路面を歩行者のために確保しなくてはならない。
この表面排水は、0.5〜2.0%を標準とする横断勾配によって側溝などに排水し、安全で快適な舗装路面を歩行者のために確保しなくてはならない。
d. 透水性舗装の構造
歩道・公園・広場に適用する透水性インターロッキングブロック舗装の舗装構造は図3に示す通りであり、路盤材料には最大粒径20mm以下のクラッシャーランを暑さ100mm用いて、不織布(60g/平方m)や必要に応じてフィルター層を設ける。
2. 車道・駐車場の設計(80mm厚を用いる場合)
a. 舗装構造
車道や駐車場および歩道の車輌乗り入れ部のように、車輌の通行を対象とするインターロッキングブロックの舗装構造の例は図4に示す通りであり、インターロッキングブロック(80mm)、サンドクッション(20mm)、上層路盤、下層路盤、路庄によって構成される。
b. 設計方法
車道・駐車場におけるインターロッキングブロック舗装の構造設計は、アスファルト舗装と同様、TA法に準じて行われ、交通条件、路庄条件、気象条件、材料条件および経済性を考慮して決定される。
以下にインターロッキングブロック舗装の構造設計概要を示すが、詳細については2000年にインターロッキングブロック舗装技術協会が発行した「インターロッキングブロック舗装要綱」を参照のこと。
以下にインターロッキングブロック舗装の構造設計概要を示すが、詳細については2000年にインターロッキングブロック舗装技術協会が発行した「インターロッキングブロック舗装要綱」を参照のこと。
c. 交通量の区分
車道・駐車場の構造設計に用いられる設計交通量は、一般に設計期間(10年)における1日1方向当りの大型車交通量によるものが用いられており、表1に示す交通量の区分Tおよび交通量の区分Uの中から想定する。
なお、歩道の車輌乗入れ部の設計には、該当する交通量に応じて、交通量の区分Tまたは交通量の区分Uの中から設計交通量を想定する。
表1:交通量の区分
なお、歩道の車輌乗入れ部の設計には、該当する交通量に応じて、交通量の区分Tまたは交通量の区分Uの中から設計交通量を想定する。
交通量の区分 | 大型車交通量(台/日、方向) | |
T | 注) | |
U | L | 100未満 |
A | 100以上250未満 | |
B | 250以上1,000未満 |
注:定常的に大型車が走行しない道路
(1)交通量の区分Tの設計交通量は、10年間の累計5t換算輪数を約7,000輪としている。
(2)交通量の区分UのL、A、Bは「アスファルト舗装要綱」に示されているL、A、B交通に対応している。
(3)駐車場や歩道の車輌乗入れ部の設計においては、最大積載量4t以下の車輌を対象とする場合は、交通量の区分T、大型車の通行頻度の応じて、交通量の区分Tまたは交通量の区分Uを適用する。
(4)大型車とは、普通貨物自動車(頭番号1)、乗合自動車(頭番号2)、特殊自動車(頭番号8、9、0)をいう。
d. 排水処理
インターロッキングブロック舗装は排水の不良が原因となって破損することがあるため、雨水等の排水処理を十分に考慮する必要がある。
特に車道の場合には舗装の横断勾配の標準を2%として、路肩に表面水を排水できるように計画、設計を行い管理しなければならない。
特に車道の場合には舗装の横断勾配の標準を2%として、路肩に表面水を排水できるように計画、設計を行い管理しなければならない。
d. その他
インターロッキングブロック舗装の機能性を十分に発揮させて、安定した供用性を長期間継続させるには、設計および施工時にサンドクッションや目地砂として用いる「砂の品質」を管理することも重要である。
また、路庄条件や気象条件(寒冷地)に応じて路庄に遮断層や凍上抑制層を設ける場合、および、特定箇所(橋面舗装、トンネル内舗装、ロードヒーティング舗装、急勾配部の舗装、排水性舗装等の特殊な条件)の車道舗装としてインターロッキングブロック舗装を適用する場合については2000年7月に社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会が発行した「インターロッキングブロック舗装要領(車道編)」を参照のこと。
また、路庄条件や気象条件(寒冷地)に応じて路庄に遮断層や凍上抑制層を設ける場合、および、特定箇所(橋面舗装、トンネル内舗装、ロードヒーティング舗装、急勾配部の舗装、排水性舗装等の特殊な条件)の車道舗装としてインターロッキングブロック舗装を適用する場合については2000年7月に社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会が発行した「インターロッキングブロック舗装要領(車道編)」を参照のこと。
e. 標準舗装構造
【交通量の区分T】
交通量の区分Tにおける路盤構造は、対象とする路庄の設計CBR(路庄の支持力)に応じて定められている。交通量の区分Tの標準舗装構造例は図5に示す通りである。
【交通量の区分U】
交通量の区分U(L,A,B交通)における舗装構造は、路庄の設計CBRと設計交通量(交通量の区分)に応じて表2に示す目標とする等値換算厚(TA)を下回らないように,舗装の各層の厚さを決定する。
交通量の区分Uにおける標準断面構造例は、図6に示す通りであり、交通量の区分UのA,B交通における上層路盤には瀝青またはセメント安定処理工法を用いるのが原則とされている。また、敷設パターンにはワンハンドサイズ(長方形)のブロックによるへリンボンボンドパターンを用いることが原則とされている。
表2:交通量の区分UのTAの目標値
【交通量の区分Uにおける舗装構造の決定(TA'の計算方法)】
交通量の区分UのL,A,B交通におけるインターロッキングブロック舗装の構造を決定するには、表3に示す路盤の最小厚さの規定に従い、TA'(設計した舗装断面の等値換算厚)が、表2に示すTAの目標値を下回らないように舗装構造を定める。
TA'の計算には次式を用いる。なお、表4に示すようにインターロッキングブロックの等値換算係数は1.0とし、サンドクッションは等値換算厚(TA')の計算には含めない。
表3:路盤各層の最小厚さ
交通量の区分Tにおける路盤構造は、対象とする路庄の設計CBR(路庄の支持力)に応じて定められている。交通量の区分Tの標準舗装構造例は図5に示す通りである。
【交通量の区分U】
交通量の区分U(L,A,B交通)における舗装構造は、路庄の設計CBRと設計交通量(交通量の区分)に応じて表2に示す目標とする等値換算厚(TA)を下回らないように,舗装の各層の厚さを決定する。
交通量の区分Uにおける標準断面構造例は、図6に示す通りであり、交通量の区分UのA,B交通における上層路盤には瀝青またはセメント安定処理工法を用いるのが原則とされている。また、敷設パターンにはワンハンドサイズ(長方形)のブロックによるへリンボンボンドパターンを用いることが原則とされている。
交通量の区分 |
L | A | B |
設計CBR |
|||
(2) | (17) | (21) | (29) |
3 | 15 | 19 | 26 |
4 | 14 | 18 | 24 |
6 | 12 | 16 | 21 |
8 | 11 | 14 | 19 |
12 | - | 13 | 17 |
20 | - | - | - |
注:()は、補修工事などで既存の路庄の設計CBRが2であるものの、路庄を改良することが困難な場合に適用する。
*TAとは、舗装の各層をすべて表・基層用加熱アスファルト混合物で築造するときに必要な厚さをいい、各層の材料を加熱アスファルト混合物に換算したいときの厚さの合計に相当する。
*設計CBRが2の場合には、路庄の一部として暑さ15〜30cmの遮断層を設けるが、CBRが深さ方向に異なり、最上層のCBRが3以上で、かつ厚さが30cmあれば遮断層を設ける必要がない。
*設計CBRが2未満の場合は、路庄改良を行い、設計CBRを3以上に高めて設計する。
*原則として、交通量の区分UのA、B交通の上層路盤には瀝青あるいは、セメント安定処理工法を用いる。(出典:「インターロッキングブロック舗装要領」)
【交通量の区分Uにおける舗装構造の決定(TA'の計算方法)】
交通量の区分UのL,A,B交通におけるインターロッキングブロック舗装の構造を決定するには、表3に示す路盤の最小厚さの規定に従い、TA'(設計した舗装断面の等値換算厚)が、表2に示すTAの目標値を下回らないように舗装構造を定める。
TA'の計算には次式を用いる。なお、表4に示すようにインターロッキングブロックの等値換算係数は1.0とし、サンドクッションは等値換算厚(TA')の計算には含めない。
a1a2・・・・・・an :表4に示す等値換算係数
T1T2・・・・・・Tn :設定した舗装断面の各層の厚さ(cm)
工法・材料 | 1層の最小厚さ |
瀝青安定処理 | 最大粒径の2倍かつ5cm |
その他の路盤材 | 最大粒径の3倍かつ10cm |
使用する 位置 |
工法・材料 | 品質規格 | 等値換算 係数α |
表層 | インターロッキングブロック | 曲げ強度:50kgf/cm平方(4.9MPa)以上(普通) | 1.00 |
上層路盤 | 瀝青安定処理 | 加熱混合:安定度350Kgf以上(3.43kN) | 0.80 |
常温混合:安定度250Kgf以上(2.45kN | 0.55 | ||
セメント・瀝青安定処理 | 一軸圧縮強さ15〜30Kgf/cm平方(1.5〜2.9MPa) 一次変位量5〜30(1/100cm) 残留強度率 65%以上 |
0.65 | |
セメント安定処理 | 一軸圧縮強さ[7日] 30Kgf/cm平方(2.9MPa) | 0.55 | |
石灰安定処理 | 一軸圧縮強さ[10日] 10Kgf/cm平方(0.98MPa) | 0.45 | |
粒度調整砕石、 粒度調整鉄鋼スラグ |
修正CBR 80以上 | 0.35 | |
水硬性粒度調整鉄鋼スラグ | 修正CBR 80以上 一軸圧縮強さ[14日] 12Kgf/cm平方以上(1.2MPa) |
0.55 | |
下層路盤 | クラッシャラン、鉄鋼スラグ、砂など | 修正CBR 30以上 | 0.25 |
修正CBR 20以上30未満 | 0.20 | ||
セメント安定処理 | 一軸圧縮強さ[7日] 10Kgf/cm平方(0.98MPa) | 0.25 | |
石灰安定処理 | 一軸圧縮強さ[10日] 7Kgf/cm平方(0.7MPa) | 0.25 |
表4 等値換算係数(出典:「アスファルト舗装要綱」)
注:(1)等値換算係数は、その工法・材料を表に示す位置で使用したときの評価値である。
(2)[ ]は養生日数を示す。